私は、気づくと、教室の前にいた。

私は、涙が止まらなかった。

私は自分の席を見つけて、その椅子に腰掛けた。

涙が止まらない。

うえええええええええええん。

声を出してしまう。

「池田、どうしたんだよ。」

青い柔道着。同じ位の身長。

原だった。

「なんもないよ。」

私は、慌てて涙を拭いた。

「いや、泣いてるじゃん。」

「いやだからなんもないって。」

私たちに沈黙の時間が訪れてしまった。

「先輩にフラれたのか?」

しばらく経って、腹がそを尋ねてきた。私は泣き出してしまう。

「そうか。」

彼は私にかける言葉がなくなってしまったようだった。

「フラれたんじゃないし。私が振ったの。」

私は精一杯の見栄を張った。

「なんで?」

「そういう時は、聞かないで、そっと慰めるでしょ、普通。」

「あ、ごめん。」

原がぎこちなく、私を抱きしめてくれた。

私たちの姿を加藤先輩が見ていたことに私は、全く気づいていなかったのだ。