「おい、お前みたいなデブが先輩の彼女になるなんて100年早えーんだよ。お前、自分の顔、鏡で見たことあんのかよ。先輩と、不釣り合いなんだよ。」

どこかの古いドラマのような体育館裏に呼び出された。

真ん中にいる黒髪ロングの女。

この女は、いわゆるボスらしい。

名前はめぐみという名前だっただろうか。

この女は黙って手を組んで、私を見ているだけだった。

ボスだからだ。

恵組の右にいる女。

No.2とここでは呼ぶことにする。

No.2が私の胸元を掴んだ。

私は内心いい度胸だなと思った。

柔道家の胸元を掴むなんて。

「先輩はね、めぐみみたいな容姿端麗な人と並ぶ方がお似合いなんだよ。」

No.2が大声をあげる。

ここで普通なら私がボコボコにされるのが王道なのかもしれない。

だが私は、柔道部のエースだ。

数々の相手を倒してきたスペシャリストだ。

こんなことではへこたれない。

売られた喧嘩は、買う主義だった。

私は、No.2の右足に自分の左足をかけて、技をかけた。

すると、気づくと、No.2は、倒れていた。

そして、めぐみの右横にいたNo.3にも技をかけようとした。

すると、めぐみが

「あんたたち行くわよ。」

と言い、3人が去った。

私に喧嘩をふっかけるなんて、100年早いんだよ。

私は内心そう思っていた。

このときの私は何故か強気だった。

そう。こんなことでは、へこたれなかった。

先輩さえ私のことを愛してくれていたら、こんなことは、全然辛くなんてなかった。

先輩が愛してくれていたのなら。