でも、いくら叫んでも心は軽くならない。
自分のことすら自分でなんとかできない、そんな俺がいた。
俺はこの先こんな自分でうまくやっていけるのだろうか。
そんな不安がよぎる。
そもそも人生ってなんだ。人ってなに。俺はなんなんだ。
この先のことを考えようとするとそんな答えが出てこないような問いが頭に浮かんでくる。
「未来とか、希望とかなんなんだよ」
そう呟いた。

「きみ、私と友達になろうよ。」
突然背後から声がした。
その声は低すぎず高すぎなくて、心地よい声だった。
後ろを振り向くと、綺麗な長い髪をふたつに結び、お腹が見える白いトップスに短いデニムのズボンを履いている女の子がたっていた。耳にはピアスとイヤーカフが着いていて、首のネックレスが太陽に照らされて光っていた。その少し笑った姿も太陽に照らされて光って見てた。たぶんこの子は同い年ぐらいだろう。
「えっと、、誰?」
「東雲 凪咲。高校1年生。」
東雲 凪咲。漢字(しののめ なぎさ)彼女はそう名乗った。
本当に同い年だったらしい。
「きみは?」
「瀬戸 蓮。高校1年生。よろしく」
我ながら簡素な受け答えだ。
きっとクラスメイトたちが見たらその大人しさに驚くだろう。
「蓮くんか。いい名前だね。ところでさっき言ったことなんだけど」
おそらくさっきの急な誘いのことだろう。
「蓮くん、私と仲良くしてくれない?」
「どうして?」
「さっきの呟き聞いたから。なんとなく親近感が沸いちゃった」
そう言って彼女はさっきと同じ笑顔を向けた。