「おい!また銀行に15万振り込まれてないぞ!」
また怒声を浴びる。はあ、まただ。このクソ親父は5年前、蓮見美琴(はすみ みこと)、俺の母を無くしてから昼はパチンコ、夜は酒の日々を過ごしている。そして中学を卒業し、就職した俺(蓮見まなみ)に毎月15万家に入れるよう強要されている。
「ごめん…」
そんな日々を過ごしていた。

〜2ヶ月後
「今日から家をあける…」
「え?」
普段口を聞かない親父がそんなことを言った。
「分かった。」
止めても無駄だと思い、すんなり返事をする。

ドンドン…ドンドン
「おい!蓮見虎徹はいるか!貸した金500万を今日こそ返してもらうぞ!」
夜中の2時過ぎ、玄関からそんな声が聞こえた。
5、500万⁈そんなお金借りた記憶がない…
やがて男の声は近くなる…
「おい!蓮見虎徹はどこだ!」
目の前に来た男。こちらに向き直した…
「おい、お前の親父はどこだ。」
いきなり聞かれてびっくりした…
「ち、父は今日から家をあけるって言ってました…」
途端に男の顔が歪む。
「チッ。逃げられたか…」
しばらく黙った後男は訳のわからないことを言ったのだ…
「おい、そこのガキ。俺の嫁になれ。そしたら借金は帳消しだ。」
「へ⁈」
意味がわからない…
「だから、俺の嫁になれ」
「え、えぇ〜」
「そうと決まれば、式の準備だ…おい井本!式の予約しとけ」
「は!」
状況が理解できずあたふたしてる俺を無視して話は進んでった。
「あ、あの!借金とか…意味わからないんですけど!俺はそんなお金借りた覚えがありません!しかも!なんで初対面のあなたといきなりけ、結婚…とかしなきゃいけないんですか⁈け、警察呼びますよ!」
一言で言い切った後、男は呆れた様子で言った。
「あのなぁ。この500万の金はお前の親父…蓮見虎徹が我が組、阿蔵組から借りた金だ!利子も合わせると1000万だ!その借金を『特別』お前が俺と結婚することで帳消しにするって言ってんだ!あ?それともお前がそのヒョロガリの体で1000万返せるのか?」
借金…ヤクザ…
いきなりのことが多すぎて頭がこんがらがった…
俺はそのまま倒れるように失神した…