「……」


やっぱり、信用できない。
こんなこと思うのは申し訳ないけど、今さっき初めてあった人にノコノコついていくのは、危ない気がする。


「そりゃ、まだ俺のこと信じられないよね。…あ、もしかして樹(イツキ)のこと知ってたりする?あいつ、Kingzの元幹部で今はdark knightsで副総長してるけど」


「樹のこと、知ってるんですか?」


樹は私と同い年で、Kingzにいたときに特に仲が良かった。
雰囲気は不良って感じじゃなく、むしろお兄ちゃんって感じだったけれど…喧嘩は、私よりも強かった。

女で、しかも身長が低めだからって舐められることが多かった私だけど、喧嘩だけは本当に強くて、幹部になった。

そんな私よりも強いから、樹は本当にすごい。


「…樹、その場所にいるんですか?」


この人のことはまだあまり信じられないけど、樹の知り合いなら悪い人じゃないだろう。


「そうだよ。樹はたいてい今から行くdark knightsのアジトにいるから」


「…わかりました。連れて行ってもらっても、いいですか?」


「ん。それじゃ行こう。バイク乗れる?」