目が覚める。
いつもと同じ景色、見慣れてしまった景色。

「……朝、か」


私は元から体が弱かった。
だから、病院に立て篭もる日々も珍しくなかった。

ピッ ピッ ピッ

機械がリズム良く音をだす
私の隣には機械がたくさんあって、私はそれに繋がれている。

毎日機械に繋がれている生活、もう慣れてしまっていた。

私は新学期が始まり、2週間経つと、体の方が悪化してしまい、病院で入院を受けることになった。

学校といっても中学校なので、勉強はやらないといけなかった。
みんなが学校でやっている分私は必死に勉強した。
だから、いつも成績はトップだった。
でも周りから
“ズルしたんだよ”
“本当は成績低いんじゃないの?”
“ずっと休んでるのに”
“お前がトクベツだからじゃないの?”

周りからはマイナスの言葉でしか言われない。
私は、トクベツ、なんだ…
体が違うだけで、体が弱いだけで、
こんなことも言われちゃうんだ。

その日から、私は成績がぐんと下がってくるようになってきた。
すると周りは、
“やっぱズルだったんだ”
“反省でもしたんじゃない?”
とか、私に向ける言葉は変わらなかった。

でも、最近変わったことがあった。


「おっはー!朝起きるの早いんだな!」

そう、男の子は私に言う。
その男の子は私の隣に置いてある椅子に座った。

「これが、今週分の授業で勉強したやつだよ」

そう言って、ノートとかをたくさん出してきた。

私は「ありがとう」と言って、ノートを受け取り、ページをめくっていった。

「字、綺麗だね。」
私がそう言うと男の子は、「読みやすいほうがいいだろ?」と言って返してきた。

こうやって、男の子と毎週土曜日に会って、勉強等を一緒にしたり、話したりしているのだ。

この男の子の名前は、流生(るい)という。
私と同じクラスの男子。
流生だけは、私のことをすごいと言ってくれたんだ。
そして私は、流生と良く話すようになった。