* ੈ✩‧₊


 入り口のドアは開け放たれていた。

「うっわー」

 先に顔だけ覗かせた亜理紗が、感嘆の声を漏らした。
 続いて私も店内の様子を窺う。
 どれどれ?

「えっ、きれい……」

 店内は植物がいっぱい。
 床もテーブルの上も。
 魔女の店というよりは、花屋といわれたほうがしっくりくる。

 上部の空間でたくさんのガラス玉が回転している。
 大きさも回転速度もバラバラ。
 糸か何かで吊り下げられているんだと思う。

 それなのに、それぞれはずっと同じ方向に、同じ速さで回転し続けている。
 回転が逆向きの玉があっても、それは逆向きのままで回り続けている。
 そして、ガラス玉に反射した光が、店内の草花を虹色に照らしている。