* ੈ✩‧₊


「ありがとうございました」

 店員さんは階段下まで見送ってくれた。

 その姿が見えなくなったのをしっかりと確認してから、亜理紗に小声で訊いた。

「……本物だと思う?」
「わかんない。でも2,000円なら、騙されててこれが単なるアクセサリーだとしても構わないなー」

 亜理紗はさっそく購入したペンダントをつけ始めた。
 それを見て、私も首にかけることにした。

 お互いに見せ合った。
 手作りだというそれは、『効果は同じ』だと説明を受けたけれど、私のと亜理紗のとで微妙に違っている。

「亜理紗、可愛い」
「ありがとう。風花も似合ってる」

 ようやく緊張が解けて、微笑み合った。

「学校の外でも、やっぱりふたり仲よしなんだ?」

 嘘っ!?

 反射的に声のした方角を向いた。

 ううん、嘘じゃない!
 蒼空くんだー!