近くで車と人の接触事故があったらしく、野次馬と救急車が多く居たにも関わらず、そちらには目もくれずに猫に一直線。





「可愛い猫ちゃんだねー」


「ニャ」




私の言葉に小さな声で返答があって、手を伸ばすとその手をペロっと舐めた。



…癒される。これだけで癒される。

近くの席のお局とは、まるで違う。



比べるのも失礼にあたるぐらい愛おしくて、猫がこんなに懐いてくるのも、更に愛おしさを増す。



舐めやすいように手を差し出していると、今度は頭を私の手に擦り付けるように絡まってきて、撫でてほしいのかなと頭を撫でると、ゴロゴロ鳴いた。



「そうか、撫でてほしいのか。甘えたさんだね」



猫みたいな素直な可愛さが、全人類に備え付けられていたら良いのに。そんな叶わない願望を抱きながらしばらく撫でて、猫の可愛さに満足したから帰ることにした。


明日は休みだけど、お風呂で今日の疲れを少しでも早く癒したい。