もう…どうしたらいいか、わかんないっ…。

――コロコロ…。

突然目の前に、サッカーボールが飛んできた。

なんとなく拾い上げると、近くを見回す。
誰かのかな…。


「あっ、きみー!それ、拾ってくれたの?サンキュー!」


大きな声とともに、同い年か年上くらいの男の子が来た。


「ど、どうぞ…」


「ありがと…って、ボールぶつかった?ごめん」


…?なんで…?


「目、赤いよ?大丈夫?」


「あ…大丈夫です。ぶつかったわけじゃないので…」


「そう?ならいいけど…。なんかあった?俺でよければ、話聞くけど…って、会ったばっかりのやつにこんな事言われても困るか」


「い、いえ。ありがとうございます」


「…俺、涼風 凪葵(スズカゼ ナギ)っていうんだけど、君は?」