私は、生まれつき心臓の病気がある。

病名は、突発性拡張型心筋症。

難病指定されているくらい重たい病気だけれど、昔から入院や手術はそこまでなかった。
今までそんなに症状が酷くなかったから。


それなのに、今日は…。



『…望月結澄葉さん。あなたの心臓は、もうすぐ限界を迎えるかもしれない』


…え?


『それって…』


『うん。心臓移植が必要かな』


心臓、移植…。

その知識は、少しだけ頭に入っている。

脳死の人から心臓をもらって、自分の心臓と代えてもらう。
ただ、心臓を待っている人は数多くいて、移植できる可能性はかなり低い。
もし心臓がもらえたとしても、手術中に死ぬこともあるらしい。


『…先生、私、移植できるよね?移植して、おばあちゃんになるまで生きられるよね?』


『…実はね、結澄葉さんの心臓は、持っても1年。1年以内に移植できないと…』


移植できないと…何?


『ごめんね、結澄葉さん。あなたの余命は、手術できなかった場合あと1年。1年以内に移植できないと、あなたは死んでしまうと思う』