「…はじめまして、涼風凪葵です!」


はい…?


「わぁ…イケメンだよ…!」


「カッコいい…」


教室に入ってきたのは、凪葵くんだった。

嘘…まさか、同じクラスなんて…。


「えっと…これからよろしくお願いします!」


凪葵くんの自己紹介が終わるとみんなが大きな拍手をした。


「じゃあ、涼風くんの席は…あぁ、あそこが空いてるわね。あそこに座って」


先生が指さしているのは、私の隣の、空いていると思っていた席。


隣に来たとき、凪葵くんはなんとなく驚いたような顔をした。


「結澄葉…?」


「ふふ、久しぶり…かな?凪葵くん」


きれいな目にびっくりしたような色を浮かべる凪葵くん。


「…びっくりした。結澄葉、この学校だったんだ」


先生にバレないように、小声で話している姿がなんだか可愛い。


「うん、凪葵くんの転校先もここだったんだね。また会えて、嬉しい」


って…私、何言って…。