と、前の教室のドアが開いて、お兄が入ってきた。

 またまた、ざわめきが起こる。

 「えっ、先生超イケメンじゃない⁉」

 「さっきの男の子もイケメンだったし、このクラス最高!」

 そんな言葉の数々に、お兄の頬がゆるむ。

 うわ、お兄、絶対今ので調子乗った。

 ていうか、なんで私、よりによってお兄が担任のクラスなの?

 お兄、隠し事下手だから、いつか兄妹だってばれちゃうじゃん!

 「あんなイケメンの兄がいるなんてずるい」って思われちゃうかもしれないし!

 「1-A担任の、宇佐美 遊兎です。よろしくな!」

 お兄が簡単に自己紹介し、この後の入学式の説明を始める。

 いよいよ入学式かあ……!

 期待と興奮に私は制服のシャツを握りしめた。