「いいかげんに、してっ!!」

 「俺の幼なじみが――っ⁉」

 私は、大神くんにタックルを仕掛けていた。

 大神くんは、廊下に仰向けで倒れこむ。

 私は、とっさに両手で自分の体を支えた。

 後ろを見ると、外れかけたドア。

 や、やばっ。いくらこの校舎が古いとはいえ、タックルでドア壊しちゃったよ……。

 これが火事場の馬鹿力というやつかも。

 先輩たちも、ポカンとしている。いや、ドアに視線を向けているというより、こっちを見ている……?