「俺は、オカルト部が廃部になったら困る。入部してくれ」

 「私は、オカルト部に入部することになったら困るの。どいて」

 「いや、どかない。……宇佐美さんに入部してもらわないと、だめなんだ」

 チラッと後ろを振り返ると、私を囲むように立っている3人の先輩が目に入った。

 元学習室の後ろの方の扉から出るのは、不可能みたいだ。

 でも、ここで諦めてしまったら、永遠に平凡になることはできない気がする。

 なんとかして脱出する。そして明日からは大神くんや先輩たちに話しかけられても逃げる。うん、それでいこう。

 「宇佐美さんが、入部してくれないと俺の――」

 大神くんが何か言っているけど、それすら耳に入らないくらい、私はイライラしていた。

 どうしてみんな、私を特別にしようとするの?

 こうなったら、もう――。