「黒ヤギ? って、誰のことですか?」

 「あいつだよっ。生徒会長の3年B組八木 真白(やぎ ましろ)!」

 「ああ、あの美人な生徒会長」

 「美人だけど、性格最悪なんだよ!名前に白ってついてるけど、むしろ黒!超・腹黒!腹黒な八木、略して黒ヤギ!」

 八木生徒会長は、生徒会長なだけあって、全校朝会でも何度か見かけたことがある。

 噂によると、成績学年1位でピアノもでき、おまけに超がつくほど美人という、すごい人らしい。

 まぁ、目がつり上がっててちょっと厳しそうな人だとは思ったけれど。

 「ええっと、生徒会長が、オカルト部に厳しいんですか?」

 「そうなんだよね~。4月にさ、部活紹介のチラシがあったじゃない?あれ、ほんとはオカルト部も作ったんだけどさ、黒ヤギ先輩に奪われて、びりっびりに破られちゃったんだよ~」

 「それどころか、ことあるごとにオカルト部の活動にケチつけてくるんだ。ひどくない?」

 「うーん……」