「でも、宇佐美さん、その……」

 蘭先輩が、助けを求めるような目で大神くんを見た。

 これまで黙っていた大神くんが、口を開く。

 「宇佐美さん。君に入ってもらわないとだめなんだ」

 「なにそれ……まさか」

 大神くん、私の過去、知ってるの……?

 小学校のクラスメートの声が、生々しくよみがえってきた。

 ――「霊感少女気取っちゃってて、イタい」

 ――「どうせ適当なこと言ってたんでしょ?」

 ――「調子乗りすぎウザッ」

 「う……」

 「どうしたの?」

 「何でもないです、けど……でも、私、やっぱりこの部活には入れないです!」

 「えー⁉」

 「そんな、宇佐美さん!」

 「ひどい、実々!」