活動場所である美術室は3階にあるので、私は1-Aの教室を出て、階段に向かう。

 階段を上って3階に着くと右に曲がって、理科室、理科準備室、学習室の前を通って……。

 ん?

 私は、数歩後ろに戻って、学習室の扉に掛けられたドアプレートをまじまじと見つめる。

 「オカルト部」

 オカルト……部……?

 えーっと、この学校に、オカルト部なんて、あったっけ?

 オカルト部なんて、なかったはずだ。

 なのに、学習室の扉に掛けられたドアプレートには、「オカルト部」の文字。

 ???

 中から話し声が聞こえてくる。

 そんなの無視すればいい。早く美術室に行って、仮入部をすればいい。

 そう思っていたのに。

 私は、そっとバッグを廊下に置くと、ドアにぴったり耳をつけて、会話を聞いていた。