「青春は待ってくれない。一度きりのこの人生、楽しまないと……僕らは……んあぁぁぁぁ」


 今日もまた、ノートを天井目掛けて投げ飛ばす。
 くさい。詩がいちいちくさい。

 どうすればより良い詩が書けるのか、お願いだから……誰か教えてくれ……!!

 神崎に歌詞を書いてもらおうと思ったりもしたが、結局止めた。
 内山先生に頼まれたのは俺だ。俺が書かなきゃ、意味が無い。だけど書けないんだ。俺には作詞の能力が無い。

 くさい歌詞に曲なんてつけられるかよ……。少なくとも、俺自身は聞きたくないな、そんな歌。


 そう思いながら椅子から立ち上がり、学校へ行く準備を始める。

 俺が投げたせいでぐしゃぐしゃになったノート。
 それを横目に見るだけで拾いもせず、俺は部屋を後にした。