ここから逃げなきゃ


何度思ったことか

誰かを傷つけたくて
誰かにかまって欲しくて

なんてわけない

私がここから逃げて欲しいって

ずっと扉を叩くから

この場所から
この人たちから

逃げないとって
何度も思った

逃げてどこにいるかわからないように

呼吸音すら押し殺して
そこから動かず
無機物となる

誰も知らない
私の逃亡

そこに誰かいても
逃げるためには振り払う

私もわからない
でも、逃げなきゃ
私が亡くなる気がした


そんな気がした
そんな気がして怖いから逃げた

隣にいる人すら敵に見えた

だから逃げたの

あの時も今もずっと
逃げてる
ずっとずっと
逃げ惑ってる