目を開けたら、神宮寺さんが居た。

ーーぎゅっ

神宮寺さんに引き寄せられ、あっという間に胸の中へスポッと入った私。

ぼぼっと顔が熱くなる。

わ、私っ、神宮寺さんに抱きしめられてるっ?!


「チッ、男居んのかよ!」

そう言って、どこかへ行こうとした彼の手を、神宮寺さんが掴む。

そしてあっという間に、床に叩きつかれていた。

ひぃぃ……。

じ、神宮寺さん、力もすごいっ…。

「俺の女に手を出したくせに、逃げようとしてんじゃねーよ」

低くて、怖い声のはず。

でも、私は胸の高鳴りが止められなかった。

お、俺の、女?

私から離れて、相手の髪を掴んだ神宮寺さん。

「どうしてほしいか?あ"?」

「じ、神宮寺さんっ!私は大丈夫ですよ…?」

そう言うと、

「チッ、亜衣が優しくてよかったなぁ?次俺たちの前に現れたら命がないと思え。」

「ひ、ヒィ……。すびばぜんでしだ」

半泣き状態で、去っていった彼。