大智は私の手首に思い切りガムテープで

 縛り始める。

 気持ちいいけど…やっぱり

 「…痛っ…!」

 と思わず考えてた事を

 声に出してしまった。

 大智は私の反応に対して

 「これって…大丈夫なのか…!?」

 とオロオロしながら声が震えてる。

 そんな大智に私は

 「大丈夫だよ!何せ私、ドMですから!」

 とえっへんとドヤ顔で威張る。

 すると大智は

 「…やっぱ、こんなん無理だよ。

 俺は兄貴みてーに器用じゃねぇーし。

 それに…」

 と顔真っ赤になりながら言葉を続ける。

 「た、大切な奴には笑って欲しいから

 痛い目には合わせたくねぇよ。」

 …大切な奴…?それって

 どういう意味なのかな…?

 「えっと…大智は、私の事が大切なの?」

 「ああ、そうだ。」

 「どうして?私が大切なの?」

 「…っ!何で詩子は分かんねーのかな。」

 …え?分からないよ?

 だって私達は幼馴染でしょ?

 大切な幼馴染…だよ?

 大切な奴って…それって…まるで…!

 「あ、あの…!!」

 私が大智の言葉に対して問いかけようと

 した瞬間…。

 教室のドアが開き、

 「うーたーこーちゃん

 なぁにしてるの?」

 と大和がニンマリ妖しく笑いながらも

 「…あれれ?俺じゃなくて大智に

 "それ"で縛ってもらったんだ〜?

 詩子ちゃんは"マテ"が

 出来ないタイプなんだね〜?」

 と威圧しながら私と大智の間に

 入った。