20xx年_冬。

 雪がしんしんと降っている。

 私はマフラーを口元に動かす。

 …今日も寒いなぁ…。

 そんな事を考えてると…

 私の頬に冷たい物が当たる。

 「ひゃ…っ!」

 私は背後を振り向くと

 「詩子ちゃん!おはよう!

 はい!差し入れ!期間限定の

 パパイヤジュース!

 これ意外と美味しいから飲んでみて?」

 と今はめっちゃ寒いのに

 ちょーキンキンに冷えてる

 パパイヤジュースを持ってくるではないか。

 …温かい飲み物売り切れてたのかな?

 ま、いいっか!飲んちゃえ!

 「大和…!有難う!めっちゃくちゃ

 美味そう!!いただきまーす!」

 私はジュース缶をプシュと開けごくごく…と喉を潤す。

 すると大和はスクールカバンの中から

 「今日もガムテープで詩子ちゃんの

 手首を縛っても良いかな?」

 今日も変わらず

 彼、宮坂大和は満面の笑みで

 ガムテープを取り出して

 私にとんでもないことを言い出す。

 そんな彼の誘惑に

 「…いいよ?するからには

 思い切り強くしてね?」

 「分かったよ

 じゃあ放課後いつもの教室で、しよっか」


 私は危険だと分かっていても

 承知してしまうのだ。