私の手首を強く握り締める彼はこう言うの。

 「ねぇ詩子ちゃん。

 このままこの手を強く握り締めて

 壊してもいい?」

 「…いいよ?好きにして。」

 「じゃあ詩子ちゃんを壊しちゃうね。」

 「…んっ」

 私の唇を目の前の彼が奪う。

 初めてのキスは彼、宮坂大和。

 そんな私と大和がキスしてるのを

 陰で見てたのは

 「…兄貴ばかりずりぃよ…!!」

 大和の弟、大智だった。