アナベルが浮かない顔をしていた。私は本からヒョコッと顔を出してじっ……と見てみる。
ハーーーッと長いため息をついていた。
「どうしたの?」
「お嬢様のお耳に入れてもいいのかわかりませんが、よろしいですか?」
「悩んでるようだし、聞いて力になれるかわからないけど、聞いてみるわ」
「実はレストア子爵令嬢が嫌がらせを受けているようなのです」
どの人がレストア子爵令嬢だったかしら?私が首を傾げるとアナベルが説明する。
「ほら……あのぅ。少しぽっちゃりとして、優しげな……」
「あー!わかったわ。福々しい方ね!」
小さな口に細い目、頬が赤くて、ちょっと拝みたくなるような福が来そうな雰囲気を持っている。ふくよかな方だけど、人に対して嫌なことを言わず、優しい気持ちにしてくれる人だった。私は関わりは持っていないけれど、確かにいた。
「その容姿をからかわれたり、わざと食事中に行って、そんなに食べるのか?と言ったり、あなたのドレスのサイズに合うお店はあるかなど、ほんとに聞くに耐えません」
「アナベルはなんで知ってるの?」
「たまたまレストア子爵令嬢付きのメイドと出会って……その時、走ってこられて泣いてましたから……つい……」
うーん……と私は本を横に置いて、腕組みする。
「わかったわ。なんとかしてみるわ。平和的にね」
「えっ!?お嬢様が!?」
「とりあえず、アナベル、お茶飲みたいわ」
かしこまりましたと言って、温かいお茶を淹れてくれる。お茶の横には小さいクッキーもつけてくれた。
「アナベルの淹れるお茶はいつも美味しいわ」
「ありがとうございます。えーと、それはそれとして、お嬢様、解決策はあるんですか?」
私は苦笑した。
「私は私がいじめられないようにと回避したけど、よく考えたら、それは他の誰かがターゲットになるってことよね。私がなるのもめんどくさいけど、誰かが、されてるのも嫌ね」
それくらい何よ!と跳ね返し、仕返しする令嬢なら、嫌がらせも終わりそうだし、見ててスッキリするけど……レストア子爵令嬢はしないだろうなぁ。
「お嬢様のせいではないですし、責任を感じることはないと思いますけど。している側が悪いのですし……」
私はお茶のもう一口飲んてから、サクッとアーモンドの香ばしいクッキーを食べた。
「お茶もクッキーも美味しい!美味しい物を心から美味しいと食べれないのは嫌よねぇ〜。早々に手を打つわ」
……その数日後、ピタッとレストア子爵令嬢への嫌がらせは止まった。
「どんな魔法を使われたのです?部屋から出てないような気がしましたが、お嬢様はいつも通り過ごしていましたよね?」
「いつも通りだったわよ。いつも通りの時間にティータイムをして、本を読んでゴロゴロ怠惰にすごしていたわ」
首を傾げるアナベルが、その数日後、私のやり方に気づいて、笑いながら言った。
「お嬢様!!なんだか3名のご令嬢方が、《《いびき》》に効く薬や方法を探してるとか聞きましたよ!」
「自分のことで忙しくなれば、人のことかまってる暇なんて無くなるでしょう?今頃、一生懸命、考えてるはずよ……私は大したことしてないわ。ただ、図書室へ行くついでに『あなたのいびきがうるさくて眠れないです』ってメッセージカードをドアに挟んだだけなのよ」
「ほんとにいつも通りの距離しか歩いてないし、いつも通りにお過ごしなんですね」
そうでもないと私は反論してみる。
「カードを書く手は動かしてるわよ。怠惰に過ごすための時間を2分ほど削って使ったわよ!」
何言ってるんですかと、アナベルが呆れた顔をしたが、すぐにニッコリとした。
「でもありがとうございます。スッキリしました。フフッ。王様と夜を共に過ごしたいなら、いびきは致命的ですよね。確かに必死になりますね!」
「健気とも言えるわ……そういう心を利用したのは少し胸が痛いけどね」
私はお茶を淹れてくれる?と頼む。アナベルはかしこまりましたと言って、いつも通りの時間に美味しいお茶を淹れてくれたのだった。
ハーーーッと長いため息をついていた。
「どうしたの?」
「お嬢様のお耳に入れてもいいのかわかりませんが、よろしいですか?」
「悩んでるようだし、聞いて力になれるかわからないけど、聞いてみるわ」
「実はレストア子爵令嬢が嫌がらせを受けているようなのです」
どの人がレストア子爵令嬢だったかしら?私が首を傾げるとアナベルが説明する。
「ほら……あのぅ。少しぽっちゃりとして、優しげな……」
「あー!わかったわ。福々しい方ね!」
小さな口に細い目、頬が赤くて、ちょっと拝みたくなるような福が来そうな雰囲気を持っている。ふくよかな方だけど、人に対して嫌なことを言わず、優しい気持ちにしてくれる人だった。私は関わりは持っていないけれど、確かにいた。
「その容姿をからかわれたり、わざと食事中に行って、そんなに食べるのか?と言ったり、あなたのドレスのサイズに合うお店はあるかなど、ほんとに聞くに耐えません」
「アナベルはなんで知ってるの?」
「たまたまレストア子爵令嬢付きのメイドと出会って……その時、走ってこられて泣いてましたから……つい……」
うーん……と私は本を横に置いて、腕組みする。
「わかったわ。なんとかしてみるわ。平和的にね」
「えっ!?お嬢様が!?」
「とりあえず、アナベル、お茶飲みたいわ」
かしこまりましたと言って、温かいお茶を淹れてくれる。お茶の横には小さいクッキーもつけてくれた。
「アナベルの淹れるお茶はいつも美味しいわ」
「ありがとうございます。えーと、それはそれとして、お嬢様、解決策はあるんですか?」
私は苦笑した。
「私は私がいじめられないようにと回避したけど、よく考えたら、それは他の誰かがターゲットになるってことよね。私がなるのもめんどくさいけど、誰かが、されてるのも嫌ね」
それくらい何よ!と跳ね返し、仕返しする令嬢なら、嫌がらせも終わりそうだし、見ててスッキリするけど……レストア子爵令嬢はしないだろうなぁ。
「お嬢様のせいではないですし、責任を感じることはないと思いますけど。している側が悪いのですし……」
私はお茶のもう一口飲んてから、サクッとアーモンドの香ばしいクッキーを食べた。
「お茶もクッキーも美味しい!美味しい物を心から美味しいと食べれないのは嫌よねぇ〜。早々に手を打つわ」
……その数日後、ピタッとレストア子爵令嬢への嫌がらせは止まった。
「どんな魔法を使われたのです?部屋から出てないような気がしましたが、お嬢様はいつも通り過ごしていましたよね?」
「いつも通りだったわよ。いつも通りの時間にティータイムをして、本を読んでゴロゴロ怠惰にすごしていたわ」
首を傾げるアナベルが、その数日後、私のやり方に気づいて、笑いながら言った。
「お嬢様!!なんだか3名のご令嬢方が、《《いびき》》に効く薬や方法を探してるとか聞きましたよ!」
「自分のことで忙しくなれば、人のことかまってる暇なんて無くなるでしょう?今頃、一生懸命、考えてるはずよ……私は大したことしてないわ。ただ、図書室へ行くついでに『あなたのいびきがうるさくて眠れないです』ってメッセージカードをドアに挟んだだけなのよ」
「ほんとにいつも通りの距離しか歩いてないし、いつも通りにお過ごしなんですね」
そうでもないと私は反論してみる。
「カードを書く手は動かしてるわよ。怠惰に過ごすための時間を2分ほど削って使ったわよ!」
何言ってるんですかと、アナベルが呆れた顔をしたが、すぐにニッコリとした。
「でもありがとうございます。スッキリしました。フフッ。王様と夜を共に過ごしたいなら、いびきは致命的ですよね。確かに必死になりますね!」
「健気とも言えるわ……そういう心を利用したのは少し胸が痛いけどね」
私はお茶を淹れてくれる?と頼む。アナベルはかしこまりましたと言って、いつも通りの時間に美味しいお茶を淹れてくれたのだった。