「調べにくい……」
私はしばらく図書室に通ってみて、そう思った。なぜ、本がバラバラに置いてあるのか?
「えっ?なに?」
「この本棚、もしかして、発行順に並んでるのかしら?」
クロードという黒髪の司書はそーだよーと軽い口調で言う。
「新しく入ってきたら、こっちの新しい本棚に並べると楽ちんじゃーん?」
「管理する人はラクかもしれないけど、分類番号をつけて、管理したほうが手に取る人も見やすいし、管理もしやすいかも……」
整理しきれなくて山積みに所々なっている本がたくさんあるのが、気になっていたし、私の読みたい本の巻数が抜けていて、非常にストレスだ。
続きの抜けてる本の巻を読み飛ばして次の巻へいく。……なんて一番ストレスを感じる読書よ!怠惰な生活目指してるのにストレス感じるなんて嫌だし、まずは環境を作らないとね。
「えー!めんどくさいなー」
私も手伝うから!と、めんどくさがるクロードを説得する。そうして、朝と夜にゴソゴソ図書室の整理整頓を行った。
怠惰な生活から少し遠のいたかもしれないが、これは準備なのよ!と自分に言い聞かせる。
……と、していると、人の気配がした。まずい!きまりの時間を過ぎてたかも!?他の人に会わない時間を約束させられていたのに!アナベルが外にいて、見てくれているはずなんだけど!?
クロードが、あっ!と驚いた声をあげた。
「やあ、リアン、久しぶり」
その声に私も驚いた。学友のウィルだ!
「えええっ!?ウィル!?なんでこんなところにいるの!?」
相変わらず、マイペースな雰囲気の彼はなぜかヘヘッと照れ笑いしている。二ヶ月ぶりに見る砂色の髪に青い目は懐かしさすらある。
……なるほど、ウィルだったから、アナベルは気を利かせてくれたのねと納得した。
「あー……実は、追いかけてきちゃったよ」
「お、追いかけて!?って、王宮まで!?」
そうだよと優しい微笑みで彼は頷いた。ウィルに王宮勤めは合わない気がした。優しすぎて、のんびりしすぎて、やっていけないと思う。頭もいいし、魔法の方も使えるし、能力はかなり高いけど、性格がおっとりしすぎているのよねぇ……。
姉のような心境になり、心配になる。
「大丈夫なの?」
「あんまり大丈夫じゃないかな……王宮騎士団に入ったんだけど、手厳しくって、やられてるよ」
私はそういえば!と、ウィルの騎士団の制服をバッとめくった。訓練でやられたらしく、何ヶ所か青あざがある。
「お、おい……?」
司書のクロードが止めようとするが、私は頭で考えるより早く、治癒の魔法をかけていた。
「ありがとう。リアン。久しぶりにかけてもらっちゃったなー」
「もうっ!他に痛いところないの?自分でもできるでしょう。なんでしないのよ!?」
「リアンに治してもらいたいからだよー」
また能天気なことを言っている。時々、ウィルはこんな悠長なことをいって、わざと私の手を煩わせるのだ。甘え上手な弟のようなのだ。実際は私より年上なのに。
しっかりしなさいよー!と私が言うと、アハハハと後ろから大爆笑しているクロード。私は振り返って言う。
「なにがおかしいのよ?」
「司書さんなのかな?はじめまして。リアンの元学友のウィルです。騎士団に入団したので……よろしくお願いします」
ニッコリと笑顔で挨拶するウィルの言葉にピタッと笑いが止まるクロード。
「よろしくお願いします。ええーと………」
「あっ!そうね。そろそろ時間だわ。人がいない時間のみって言われてるのよ。ウィル、頑張ってね!怪我に気をつけなさいよ!」
「リアンもね」
ヒラヒラと手を振るウィル。彼はいつでも自由に図書室を使えるのだろうか。私も男だったら良かったのにな。ウィルが騎士団に入り、新しいことに挑戦を始めたことで、私の気持ちは嫉妬心なのか、なんだかモヤモヤした。
私の浮かない顔にアナベルは心配したが、ウィルに嫉妬しているかもしれないと言いたくなくて、話せなかった。
ウィルに会ったせいで、気持ちが少し掻き乱されてしまったかもしれない。……もしかして、怠惰に過ごすってなかなか難しいことなの?
私はしばらく図書室に通ってみて、そう思った。なぜ、本がバラバラに置いてあるのか?
「えっ?なに?」
「この本棚、もしかして、発行順に並んでるのかしら?」
クロードという黒髪の司書はそーだよーと軽い口調で言う。
「新しく入ってきたら、こっちの新しい本棚に並べると楽ちんじゃーん?」
「管理する人はラクかもしれないけど、分類番号をつけて、管理したほうが手に取る人も見やすいし、管理もしやすいかも……」
整理しきれなくて山積みに所々なっている本がたくさんあるのが、気になっていたし、私の読みたい本の巻数が抜けていて、非常にストレスだ。
続きの抜けてる本の巻を読み飛ばして次の巻へいく。……なんて一番ストレスを感じる読書よ!怠惰な生活目指してるのにストレス感じるなんて嫌だし、まずは環境を作らないとね。
「えー!めんどくさいなー」
私も手伝うから!と、めんどくさがるクロードを説得する。そうして、朝と夜にゴソゴソ図書室の整理整頓を行った。
怠惰な生活から少し遠のいたかもしれないが、これは準備なのよ!と自分に言い聞かせる。
……と、していると、人の気配がした。まずい!きまりの時間を過ぎてたかも!?他の人に会わない時間を約束させられていたのに!アナベルが外にいて、見てくれているはずなんだけど!?
クロードが、あっ!と驚いた声をあげた。
「やあ、リアン、久しぶり」
その声に私も驚いた。学友のウィルだ!
「えええっ!?ウィル!?なんでこんなところにいるの!?」
相変わらず、マイペースな雰囲気の彼はなぜかヘヘッと照れ笑いしている。二ヶ月ぶりに見る砂色の髪に青い目は懐かしさすらある。
……なるほど、ウィルだったから、アナベルは気を利かせてくれたのねと納得した。
「あー……実は、追いかけてきちゃったよ」
「お、追いかけて!?って、王宮まで!?」
そうだよと優しい微笑みで彼は頷いた。ウィルに王宮勤めは合わない気がした。優しすぎて、のんびりしすぎて、やっていけないと思う。頭もいいし、魔法の方も使えるし、能力はかなり高いけど、性格がおっとりしすぎているのよねぇ……。
姉のような心境になり、心配になる。
「大丈夫なの?」
「あんまり大丈夫じゃないかな……王宮騎士団に入ったんだけど、手厳しくって、やられてるよ」
私はそういえば!と、ウィルの騎士団の制服をバッとめくった。訓練でやられたらしく、何ヶ所か青あざがある。
「お、おい……?」
司書のクロードが止めようとするが、私は頭で考えるより早く、治癒の魔法をかけていた。
「ありがとう。リアン。久しぶりにかけてもらっちゃったなー」
「もうっ!他に痛いところないの?自分でもできるでしょう。なんでしないのよ!?」
「リアンに治してもらいたいからだよー」
また能天気なことを言っている。時々、ウィルはこんな悠長なことをいって、わざと私の手を煩わせるのだ。甘え上手な弟のようなのだ。実際は私より年上なのに。
しっかりしなさいよー!と私が言うと、アハハハと後ろから大爆笑しているクロード。私は振り返って言う。
「なにがおかしいのよ?」
「司書さんなのかな?はじめまして。リアンの元学友のウィルです。騎士団に入団したので……よろしくお願いします」
ニッコリと笑顔で挨拶するウィルの言葉にピタッと笑いが止まるクロード。
「よろしくお願いします。ええーと………」
「あっ!そうね。そろそろ時間だわ。人がいない時間のみって言われてるのよ。ウィル、頑張ってね!怪我に気をつけなさいよ!」
「リアンもね」
ヒラヒラと手を振るウィル。彼はいつでも自由に図書室を使えるのだろうか。私も男だったら良かったのにな。ウィルが騎士団に入り、新しいことに挑戦を始めたことで、私の気持ちは嫉妬心なのか、なんだかモヤモヤした。
私の浮かない顔にアナベルは心配したが、ウィルに嫉妬しているかもしれないと言いたくなくて、話せなかった。
ウィルに会ったせいで、気持ちが少し掻き乱されてしまったかもしれない。……もしかして、怠惰に過ごすってなかなか難しいことなの?