20xx年_夏。

 蝉がミンミン鳴いている。

 今日の気温は35度。

 暑い中、私は薫と自分の家へ向かう。

 そう、今日のデートプランは

 初めてのお家デート。

 何度でも言いますとも!大事な事だからね!

 「薫〜!ここが私の家だよ〜!」

 私は自分の家を片手で指差しながら

 薫においでおいでともう片手で

 ひらひらさせる。

 ちなみに私は今、一人暮らしをしている。

 だから誰も邪魔する人は居ない。

 えへへ、今日こそ薫とイチャイチャ

 しまくるもんねー!!

 私はニマニマと顔が緩む。

 そんな私に薫は頭をゴツと叩き

 「…おい、咲。お前、顔緩みすぎ。

 ぜってー、変な事を考えてるだろ?」

 と若干引き気味だ。

 「えへへ、だって念願の

 お家デートだもんっ!」

 そう、私と薫が今までお家デート

 出来なかったのは私の父親が

 一人暮らしを認めてくれなかったからだ。

 だけど、私の母親が

 「咲の人生だから咲が決める事じゃないの?

 私達はそれを応援しましょう!」

 と言うと父親は

 「…それは正論だな。わかった。今回は

 俺が悪かった。一人暮らしするのを

 認めよう。」

 と認めてくれた。

 そう、やっと父親の説得に成功したのだ。