パソコンの画面に映し出されている、終わりの見えない伝票や在庫管理表や
その他諸々と格闘している俺のスマホが音をたてる。
『彼女さんから鍵をお預かりしています。お帰りの際にフロントへ寄っていただけますか?』
あいつ……マンションのコンシェルジュに鍵を預けて出て行きやがった。
舌打ちを堪え、わかった、と返事をして通話を切って。
イスの背もたれに項垂れるように背中を預けて、盛大な溜息が漏れた。
「もう無理や!我慢できへん!信じたくても信じられへん!私は陽希さんの家政婦でもお母さんでもないねん!それに、陽希さんの秘書という名の御用聞きでもないねん!感謝はしてるけど、もう一緒には歩いて行かれへん!ごめんなさい……」
半泣きで俺に訴えて。
半同棲していたマンションから、出て行く、と宣言されて2日か……
あいつに任せていた、、、
あいつだから任せていた仕事はこんなにあったのか……と居なくなって、初めて存在の大きさを実感する。
他の社員に任せればいいだけなんだが、俺の性格上どうしても出来ない。
心の底から信頼している相手にしか任せられないのだから。
社長室の来客用のソファーで、あいつはいつもパソコンと睨めっこしながら。
ときどき俺を気にかけながら淡々と、俺が今格闘中の仕事をこなしていたんだな。
雑用も、店へ出向いて社員やバイトの教育も、家事も全て、
文句もあまり言わずに。
ソファーを見てもあいつはいない。
居て当たり前だった存在が今はないって寂しくて、心に穴が空いたみたいに苦しい。
後悔しても遅いんやけど、もっと大事にしてやればよかったな。
仕事よりも、仕事関連の女達よりも。
もっと気にかけてやればよかったな。
強がりで、甘えベタなあいつを。
その他諸々と格闘している俺のスマホが音をたてる。
『彼女さんから鍵をお預かりしています。お帰りの際にフロントへ寄っていただけますか?』
あいつ……マンションのコンシェルジュに鍵を預けて出て行きやがった。
舌打ちを堪え、わかった、と返事をして通話を切って。
イスの背もたれに項垂れるように背中を預けて、盛大な溜息が漏れた。
「もう無理や!我慢できへん!信じたくても信じられへん!私は陽希さんの家政婦でもお母さんでもないねん!それに、陽希さんの秘書という名の御用聞きでもないねん!感謝はしてるけど、もう一緒には歩いて行かれへん!ごめんなさい……」
半泣きで俺に訴えて。
半同棲していたマンションから、出て行く、と宣言されて2日か……
あいつに任せていた、、、
あいつだから任せていた仕事はこんなにあったのか……と居なくなって、初めて存在の大きさを実感する。
他の社員に任せればいいだけなんだが、俺の性格上どうしても出来ない。
心の底から信頼している相手にしか任せられないのだから。
社長室の来客用のソファーで、あいつはいつもパソコンと睨めっこしながら。
ときどき俺を気にかけながら淡々と、俺が今格闘中の仕事をこなしていたんだな。
雑用も、店へ出向いて社員やバイトの教育も、家事も全て、
文句もあまり言わずに。
ソファーを見てもあいつはいない。
居て当たり前だった存在が今はないって寂しくて、心に穴が空いたみたいに苦しい。
後悔しても遅いんやけど、もっと大事にしてやればよかったな。
仕事よりも、仕事関連の女達よりも。
もっと気にかけてやればよかったな。
強がりで、甘えベタなあいつを。