「いってぇ、…おい、大丈夫か?」



落下する途中で瞑っていた目をゆっくり開くと
そこには頭を押さえてこちらを心配そうに覗き込む男子生徒


…あれ、伊月くん?
なんでここに…


咄嗟に受け止めてくれたのか、私の下敷きになっている伊月くんと目が合って慌てて飛び退いた



「伊月くん!?ごっ、ごめんなさい…っ!」



「いや、いいけど…くそ、あいつ逃げ足速ぇな
顔見えなかった」




私と反対方向から階段を登ってきていた伊月くんは私を落とした誰かを認識していたようで、眉間に皺を寄せている



「大丈夫!?頭打ったよね…っ!?
ほ、保健室、保健室行こう!?」



「大した事ねぇって、それよりあんたの方が」



「だめ!!絶対だめっ、早く冷やさなきゃ…
それに病院も」



私なんかがいきなり落ちてきて相当重かったはずだ

それに頭を打っていたし、何かあってからでは遅い