「も…もう私、帰る…っ」



何が何だかわからなくてとりあえずここにいたら心臓が破裂してしまいそうな私は立ち上がってバックを持った



「あ、まって
綴ちゃん最後に1個だけ」



響くんに引き止められて立ち止まると、バックを持っていない方の手を絡められる

それはいわゆる恋人繋ぎというやつで…



「明日から2人で登校しようね、こうやって」



ちゅ、と繋がれた手に響くんの唇が当たって私は心臓の音に押しつぶされそうになる


な、なんてことを…っ



「迎えに行くからまっててね」



数々の女の子達を虜にしてきた王子様の笑みを向けられて耐えきれなくなった私は響くんを振り払い一目散に隣の我が家へ駆け込んで行った



どうしてこんなことになっちゃったの…?!


響くんが強引すぎていきなりキスなんかするせいで頭真っ白だ
心臓が痛いほどドキドキしているのがわかる

幼なじみの好きって頭ではわかっているのに、響くんがあんなことするから…っ



そっと触れた唇がまだ響くんの感触を覚えている

あまりに甘すぎる彼に翻弄されて頭がいっぱいになってしまった




高校2年生の秋、私達幼なじみの何かが変わる音がしたー…