やば…
なんかさっきより不機嫌になってない!?



「ど、どうしたの響くん…」



なんか怖いよ〜と少し屈んで響くんの腕の下を潜ろうとすると今度は私の背中が壁にくっつけられてしまった


か、壁ドンされてる…?


こんなことをさらりとやってのけてしまう当たりは本当に女の子慣れしてるなーと思うけど、あまりにも顔が怖すぎてそんな事を聞いている余裕は無い



「綴ちゃん、なんで俺がいるのにこんなとこ来てるの?」



「なんでって言われても…
私も恋とかしてみたいなぁ、なんて…思ったり、してですね…」



なんとか当たり障りのないことを返してみるけどどうやら私は返答を間違えたらしい


ぶちっと響くんの額から何かが切れる音がして



「あのさぁ、綴ちゃんて泣かされないとわかんないくらいバカだったけ?」



一気に響くんの顔が近づいて、いつも柔らかい笑みを浮かべてる顔が眉間に皺を寄せて口角がひくついている


泣かす!?
ええっ、なんで!?
私何か悪いこと言った!?