「わわっ、ごめんねおとしちゃった…
……ん?」


「っ……」


所々中身を広げた本に目が止まる
あれ…これって


「響くん、なんでこの漫画もってるの?」


「いや、それは……」


目が泳ぎまくっている響くんに首を傾げた後、私は本を1冊を手に取った

“君だけの王子様~完璧男子のお姫様になりたくて~”

そんな甘々なタイトルが可愛らしいフォントで書かれた少女漫画

まさか響くんの部屋から出てくるなんて思ってなかったけど、別に隠すことないのに…


「これ面白いよね、私も昔ハマってたな…うわぁ、懐かしい」


確か眉目秀麗でモテモテのイケメンな男の子に恋する漫画だったよね

私もこのヒーローがかっこよくて好きだったっけ


「なんだぁ、響くんも好きなら言ってくれたらよかったのに…」


「まって…本当に違うから、そうじゃないよ…っ」


うーん、でも、好きじゃないのにわざわざ本棚の奥に並べて置かないよね…?