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「落ち着いた?」



「うん、ありがとう」



誰もいない屋上で、私と伊月くんはベンチに座っていた

さっき、ここへ来る途中に伊月くんが買ってくれたミルクティーをぎゅっと握りしめて泣き腫らした顔でなんとか笑顔をつくる


伊月くんのこと、巻き込んじゃって申し訳ないな
関係ないのに私についてきてくれたせいであんなことに…



「巻き込んじゃってごめんね」



「そんな風に思わなくていい、俺が勝手について行っただけだし」



「…伊月くんて、優しいよね」



「別にそんなことはねぇだろ」



「そんなことあるよ!前に助けてくれた時もだけど、伊月くんって相手に気を使わせないように言葉を選ぶでしょう?それって優しいから出来るんだよ」



「…それは、どーも」



そう言うと伊月くんは私から視線を逸らして頭をかいた

もしかして、ちょっと照れてる?
珍しいな…