「最低…っ」


「うん、俺最低だからさ
綴ちゃんが悲しむようなことする人がいるなら、自分でもそいつに何するかわからない
他の子にもよく伝えといて」


それは俺からの警告だった

もしまた綴ちゃんに何かしたら本当に俺は何をするかわからなくて自分でも怖いんだ


階段から落ちたって聞いた瞬間、怒りで握りしめていた手に血が滲んで今もヒリヒリと痛む


脅しを含んだ脅迫にビクリと身体を震わせた山田さんはそれ以上なにも言ってこない


それを確認してから理科室を出る


たとえこれで今まで積み上げてきた王子様のような俺の印象が地に落ちたって構わない
そんなこと、今の俺にはどうだっていい

綴ちゃんに会いたい
俺の身勝手さを謝りたい
許してくれなくてもいいから、嫌われてもいいから

ただ、また笑ってて欲しいんだ


だけど、どんな顔して会えばいい?
なんて言ったら許してくれるの?

好きだよ綴ちゃん

ずっとずっと昔から、俺には綴ちゃんだけなんだ

大切にすればするほど手の平からこぼれ落ちていくように上手くできない俺は本当に不器用だ