「奏哉、いるんでしょう?」


私が呼び捨てで呼んだことか動揺してないことか。

どちらもだろうが、隅から出てきた奏哉も奏斗も驚いた顔をしている。


「やっぱり、反社だったんだね」


そう聞くと奏斗はビクリと肩を震わせた。

が、私はそんなことお構いなしに喋り続ける。


「だから、それを知った私を殺そうとしている…違う?」

「そうだ、よ…」

「…」


なにも喋らない奏哉と、辛そうな奏斗。

まるで奏哉も奏斗も、知らないでくれれば…と言いたそうだ。


「殺していーよ?」

「っ…なんで、っ?!」

「なんでも」


悲痛な顔の奏哉と奏斗。

そんな顔しないでよ、勘違いしそうになるじゃん…