「白雪ちゃん。これ私と結から。差し入れ」
「わぁーっ!ありがとう!あ、ここのマカロン、大好きなの。さすがね、のの。センスがいいわ」
「選んだのは結だよ。結ってば女子が喜びそうな物を選ぶのがじょうずなの」
「あら。タラシってこと?」
「いや、変なイメージつけるのやめてくれー」
結が頭をかいて、白雪ちゃんが「最低な男なんじゃないでしょーね?」って頬を膨らませながら私に耳打ちした。
「もうすぐ出番なの?」
「そうなの。思ってるよりも台詞憶えてたみたいで安心したわ」
「白雪ちゃんならスーッでしょ」
「そんなことないわよ。歌もダンスも憶えるの遅いほうなんだから。レッスンスタジオも利用時間が可能なギリギリまで使っちゃうからいつも警備員さんに追い出されてるの」
「努力家なんだね。メンタルが強くて尊敬するよ」
私の隣で言った結に白雪ちゃんは挑発するみたいに顎を上げて言った。
「ヘタクソなくせにしぶといなって嫌味かしら?」
「まさか!純粋な気持ちだよ。そういう風に在りたくてもできない人がほとんどなんだから」
「……そう。ありがと」
「どーいたしまして」
結と白雪ちゃんのやり取りはもはや兄弟喧嘩だ。
いや、もうちょっと歳の離れたいとこのお兄ちゃんと女の子って感じかもしれない。
私よりもずっとずっと大人びている白雪ちゃんが結の前では駄々っ子に見えてなんだか可愛い。
「白雪さん、そろそろインしてください」
マネさんが白雪ちゃんを呼びにきて、
白雪ちゃんは鏡の目で軽く髪の毛と衣装を整えてから楽屋を出た。
私達はマネさんの後ろについて、
スタジオの裏に入った。
見たことない台数のカメラ。
どこから何に向かって伸びているのかも分からない配線。
何がどれだけの役割を果たすのか、いろんな種類の照明と、たくさんのスタッフさん。
ドラマの出演者達。
みんな見たことのある人達ばかりで心臓が早鐘を打つ。
白雪ちゃんは今回のドラマで主演を務める。
親友の片想い相手と両想いになってしまう学園ラブストーリーだ。
白雪ちゃんの相手役は前期のミステリーサスペンスドラマで主演をしていた、大ブレイク中の若手俳優。
テレビで見たままの、きれいな男の子だった。
「わぁーっ!ありがとう!あ、ここのマカロン、大好きなの。さすがね、のの。センスがいいわ」
「選んだのは結だよ。結ってば女子が喜びそうな物を選ぶのがじょうずなの」
「あら。タラシってこと?」
「いや、変なイメージつけるのやめてくれー」
結が頭をかいて、白雪ちゃんが「最低な男なんじゃないでしょーね?」って頬を膨らませながら私に耳打ちした。
「もうすぐ出番なの?」
「そうなの。思ってるよりも台詞憶えてたみたいで安心したわ」
「白雪ちゃんならスーッでしょ」
「そんなことないわよ。歌もダンスも憶えるの遅いほうなんだから。レッスンスタジオも利用時間が可能なギリギリまで使っちゃうからいつも警備員さんに追い出されてるの」
「努力家なんだね。メンタルが強くて尊敬するよ」
私の隣で言った結に白雪ちゃんは挑発するみたいに顎を上げて言った。
「ヘタクソなくせにしぶといなって嫌味かしら?」
「まさか!純粋な気持ちだよ。そういう風に在りたくてもできない人がほとんどなんだから」
「……そう。ありがと」
「どーいたしまして」
結と白雪ちゃんのやり取りはもはや兄弟喧嘩だ。
いや、もうちょっと歳の離れたいとこのお兄ちゃんと女の子って感じかもしれない。
私よりもずっとずっと大人びている白雪ちゃんが結の前では駄々っ子に見えてなんだか可愛い。
「白雪さん、そろそろインしてください」
マネさんが白雪ちゃんを呼びにきて、
白雪ちゃんは鏡の目で軽く髪の毛と衣装を整えてから楽屋を出た。
私達はマネさんの後ろについて、
スタジオの裏に入った。
見たことない台数のカメラ。
どこから何に向かって伸びているのかも分からない配線。
何がどれだけの役割を果たすのか、いろんな種類の照明と、たくさんのスタッフさん。
ドラマの出演者達。
みんな見たことのある人達ばかりで心臓が早鐘を打つ。
白雪ちゃんは今回のドラマで主演を務める。
親友の片想い相手と両想いになってしまう学園ラブストーリーだ。
白雪ちゃんの相手役は前期のミステリーサスペンスドラマで主演をしていた、大ブレイク中の若手俳優。
テレビで見たままの、きれいな男の子だった。