その声があまりにも怖くて体がビクッと震えた。



「はぁ。お前、俺と羽月さんの仲邪魔しすぎなんだよ」



めんどくさ、と小さく呟いて佐野くんの体は教室へと帰る道を向いた。



ごめんなさい、佐野くん。



今日こそは告白の返事できるって思ってたのに。



どうやら、私の予想は外れたみたい。



「羽月さん。また夜電話かけるね」



佐野くんは最後にそれだけ言い残した。



いつものやさしいニコニコスマイルで。



でも、その目は私とは焦点があまりにも合わなかった。