そして、瞬くんも小さい頃は空手をやっていたと。



たしかそう話していた。



あっ。だから、あんなに・・・。



常人のスキルじゃあんなのは無理だよね。



「ほんと、ありがとう」



改めて感謝すると瞬くんは照れたように



「ん」



とだけ言った。



いつもの優しくて可愛いものが好きな瞬くんがそこにはいた。



「俺さ、親が空手家で。甘やかされずに育ったからこんな感じになっちゃったんだよね」



隣で言いたくなかったかもしれないのに話してくれた。



私に甘えてくれたらいいのにな。



不覚にもそう思ってしまったんだ。