「こんなもんか」



不良くんたちが何も言えなくなっているのを見て、瞬くんは手を止めた。



怪我しているとは思えないやりっぷり。




よ、よかった。



そのままだったらきっと男の子たち死んじゃってたんじゃないかなっていうくらいに瞬くんには圧倒されるものがあった。



瞬くんが喧嘩してるのを呆然と見ることしか出来なかった。



ずっと、瞬くんを目で追っていたせいか殴る手を止めた瞬くんと目が合う。



「1発いれとけば」



瞬くんは不良くんたちを指さしながら私にそんな提案をしてきたけどそんなこと出来るわけない。



もう十分、瞬くんによって完膚なきまでにやられてるんだから。