ゆうなたちは、クレープを食べながら田沼に聞こえないように話した。
 「こ、ここな、どうゆうこと?」
 と、ゆうな。
 ここなはにこにこしている。
 「田沼は機嫌よくしといた方がいいよ。じゃないと、ねちねちうちらのこと注意してくるよ」
 と、ここな。
 「なるほどお」
 と、ゆうな。みんな納得した。
 「と、とにかく早いとこ食べよう」
 と、ここな。
 「うん」
 と、ゆうな。ゆうながそっと田沼を見ると、今まで見たことのない上機嫌で、にこにこしていた。
 「ん、どうした。ゆっくり食べろ」
 と、田沼。
 「は、はい」
 と、ゆうな。
 みんな黙って食べた。食べ終わると、ここなが田沼のとこへいった。
 「先生、食べ終わりました」
 と、ここな。
 「ずいぶんはやかったな。じゃあ、行くか」
 と、田沼。
 みんな田沼に引きつられて、動いた。いつの間にか晴れていた。太陽が厳しく照り付けてくる。暑いなあ、とゆうなは思った。汗が噴き出る。青春の香りがした。
 「お、見えてきたぞ」
 と、田沼。
 かわいいグッズでいっぱいの屋台がみえた。田沼はワクワクしている様子であった。みんな屋台の前に来た。キャップをかむったお姉さんが店員だった。
 「いらっしゃい。お、かわいい女の子連れてますねえ」
 と、お姉さん。
 「あ、いや、うちの生徒なんです」
 と、田沼が上機嫌でいった。
 「へえ、先生なんだ」
 と、お姉さん。
 「ええ、まあ」
 と、田沼
 「くじ引き千円で5回になりますけど」
 と、お姉さん。
 田沼はキティちゃんのバッグから財布を出した。それはキティちゃんの長財布だった。田沼は財布から千円を出して、お姉さに渡した。
 「ようし、ちょうど一人一回だ。誰からにする?」
 と、田沼がゆうなたちを見ていった。
 「田沼先生からどうぞ」
 と、ここながにっこり笑っていった。
 「え、いいのか」
 と、田沼。
 「ええ、田沼先生のおごりですし、ここは年功序列的な」
 と、ここな。
 「ああ、そうだなあ。ようし」
 と、田沼。
 お姉さんは箱を差し出した。
 「さあ、ひいてください」
 と、お姉さん。
 田沼は箱に手をつっこんだ。田沼は手をひいた。田沼は長いこと紙を選んでいた。田沼は決心して、紙をとった。
 田沼はとった紙をお姉さんに渡した。お姉さんは紙を田沼から受け取った。お姉さんは紙を開いた。
 「おっ、ちいかわの小物入れだ」
 「おおおおおおおおお」
 と、田沼。とっても上機嫌だ。お姉さんはちいかわの小物入れを田沼に渡した。
 田沼はそれを受け取った。
 「おおおおおおお。まだ持ってないやつだあ」
 田沼はとても喜んでいる。
 「先生、よかったですね」
 と、ここな。
 「ああ。次はここなが、やるかあ?」
 「はい」
 と、ここな。