ゆうな、ここな、飛鳥、芽亜里はZ市の夏祭りに行くこととなった。
 ゆうなはいつものように耳の上ツインテール。白いハイカット丈靴下。ローファーをはいていた。
 ここなはポニーテール。ピンクのハイカット丈靴下。ピンクのリングを指にはめていた。
 飛鳥はアップでまとめた髪型。スニーカーをはいていた。
 芽亜里はウエーブヘアのロングだった。
 ゆうなは青いリュックを背負っていた。ここなはピンクのショルダーバッグ。飛鳥は肩掛けバッグ。芽亜里は黄色いはリュックだった。
 朝、10時ごろにZ市自由町まつり会場へ来た。
 天気は薄曇りだった。それでも暑かった。ゆうなたちは汗びっしょりかいていた。ゆうなたちの肌が美しく光った。青春の香りがした。
 会場は屋台が並んでいた。人はまだまばらだった。ゆうなたちは歩いた。ゆうなはクレープ屋を見つけた。
 「ねえ、クレープ食べようよ」
 と、ゆうなはいった。
 「賛成」
 と、ここながいった。ゆうなたちはどんなクレープを買うか、考えた。そうして、決まった人から買っていった。ゆうなたちはその辺でクレープを食べた。みんなの口からクレープの匂いがした。
 「おいしいねえ」
 と、みんな口々にいった。
 「おい」
 と、聞きなじみのある声がした。見ると、ええええええええええ。そこにいたのは、田沼先生だった。栗色のショートヘア、切れ長の目、黒い瞳、筋の通った鼻、薄い上唇、シャープなフェイスライン。とっても顔はいい。黒い半袖シャツを着ていた。
 「君ら、こんな人様に邪魔になるとこで食べていたらだめじゃないか」
 と、田沼は陰険にいった。
 「は、はい」
 と、ゆうな。(あいかわらず、嫌なやつだな。しかし黒いシャツはほんとにヤンキーだ)と、ゆうな。
 ゆうなたちは端っこへしりぞいた。
 「うむ」
 と、田沼。
 「ん」
 と、ここな。
 「田沼先生、そのバッグとってもかわいいですね」
 と、ここなが微笑んでいった。見ると、田沼はキティちゃんのバッグを持っていた。
 (えええええええええええ)みんなびっくりした。
 (ここな、なんてことを)とゆうな。みんなかたずをのんだ。
 「だろう」
 と、田沼が笑顔になった。
 (えええええええええええ)みんなびっくりした。
 (田沼のこんな顔、初めて見たあ。つうか、めっちゃ機嫌いいよ)
 「これ、俺の一番のお気に入りなんだ」
 と、田沼がニコニコしていった。
 (ええええええええええ)みんながびっくりした。
 (なんか気持ちわりい)とゆうなは思った。
 「へえ、そうなんですかあ」
 と、ここな。
 「そうだ、向こうにかわいいグッズのくじ引きの屋台があるんだが、おごってやろうか」
 田沼が上機嫌でいった。
 「い・・・・・・・」いいですと、ゆうなはことわろうと思った。
 「え、ほんとですか。いいですよ」
 と、ここなが微笑んでいった。
 (えええええええええ)とゆうなは思った。
 「ほんとかあ。じゃあ、まずそのクレープをはやいとこ、じゃなかった、ゆっくり食べるんだぞ」
 と、田沼。
 「はあい」
 と、ここな。
 「じゃあ、先生、その辺で待ってるから」といって田沼はちょっと離れていった。