2年前の冬。

 これは僕が記憶を失う前の話。

 僕は18歳の誕生日を迎えていた。

 誕生日だけど外は雪が降ってて

 …寒い。これだから冬は嫌だ。

 「ねーねー!咲夜!

 今日誕生日だよね?18歳の誕生日

 おめでとう!」

 そう祝ってくれたのは、隣の席の石川繭。

 僕の初恋で好きな人だ。