カフェの店内はステンドグラスの窓に

 昔ながらのレトロな古民家カフェ。

 だけど違和感があった。

 客は僕と桜坂さんのみで…しかも

 「…店員さんが居ない…?」

 呼び出しのベルを何度も鳴らすが

 店員が出てこないのだ。

 「…あの、宮崎さん…もしかして

 店員さんに何かあったのかも…!!」

 僕と桜坂さんはごくりとうなずき

 店内の厨房に向かう。

 すると…桜坂さんは何か異変に気付いた。

 「…あ!!人が…倒れて…!?」

 桜坂さんは目の前の光景に

 「女の人がナイフで殺されてる!!

 いやあぁぁぁぁ!!」

 と悲鳴をあげた。

 だけど、僕は悲鳴をあげる事よりも

 驚いてた。

 「…繭のお母さん…!?」

 そう、僕の初恋の人。

 石山繭(いしやままゆ)の母親が

 何者かにナイフで刺されて

 殺されていたのだ。

 「…なんで…繭のお母さんが…!?」

 何だよ…これ…!!

 何でいつも僕は大切な人を

 失うんだよ‼︎

 僕は18歳の時に初恋の人である

 石川繭が自殺して亡くした。

 だけど、繭のお母さんまで…亡くすとは

 思っても居なかった。