「…ここは?」

 僕が桜坂さんを連れて来た場所は

 小さな古民家カフェ。

 「…覚えてませんか?

 ここはあなたにとって

 大切な場所の一つだったと

 思うのですが…。」

 「私にとって…大切な…場所?」

 僕は桜坂さんが書いてた日記の

 毎日の美味しいご飯の感想のページを

 開いて彼女に見せる。

 「ほら…

 このページの文章を読んで見て下さい」

 桜坂さんは僕の指示に従う。

 「…あ!!」

 そして彼女は気づいた。

 「そうです!思い出しました!

 ここは私にとって大事な場所です!!

 だって記憶が無いこの2年間、

 ここで宮原春羽先輩と

 バイトしてたんです!」

 僕はにやりと微笑み

 「少し記憶が戻りましたね。」

 日記には