それから1週間が過ぎていき……。


いよいよ、パーティー当日。


この日は、朝から蒼生くんが我が家に迎えに来てくれて。そのまま車で、会場のホテルへと向かった。


「絃葉ちゃん、これ……」


ホテルの一室で蒼生くんが持ってきた大きなカバンから取り出したのは、鮮やかな水色のドレス。

裾にはフリルがついていて、すごく可愛い。


パーティー用のドレスを持っていない私に、蒼生くんが『パーティーの日の服は俺に任せて』って言っていたけど。

もしかして、これを私に?


「絃葉ちゃんに似合うと思ったドレスを、母さんと陽莉が選んだんだ」


うそ。お二人が私のために選んでくれたなんて、嬉しい。


それから私は、蒼生くんが持ってきてくれたドレスに着替え、ヘアメイクさんに身なりを綺麗に整えてもらった。


「うわあ」


鏡に映るメイクを施した私は、いつもよりも目が大きくて。普段ストレートの髪の毛先は、くるっとカールされている。


いま目の前にいる私は、何だか別人のよう。やっぱりプロの人ってすごい。


普通に生活していたら、こんなふうに綺麗に着飾ってもらうなんてこと、なかなかないだろうから。


どうせなら右腕を骨折していないときだったら良かったなと思いながら、支度が終わった私は別室で待っている蒼生くんの元へと向かった。