「俺、久しぶりに絃葉のおばさんにも会いたいしさ」

「お母さんも圭人に会いたがってたから。きっと喜ぶよ。そういえば、今の圭人の家って小学生の頃まで住んでいた、あのお屋敷なの?」

「ああ。昔住んでた、絃葉の家の近所のあの家だよ」

「そうなんだ!」


圭人の家は、ウチの近所では一番大きな家。


家の外観だけでなく、室内やお庭までアンティークな雰囲気で。小学生の頃の私は、そんな圭人の家に遊びに行くのが好きだった。


だから、圭人がまたあの素敵な家に住むことになったのだと思うと嬉しい。


「……悪いけど。絃葉ちゃんは、俺と帰るからダメだよ」