「ったく。絃葉のそういう責任感の強いところ、昔からちっとも変わってねぇなあ」
「わっ! 圭人、何するの!?」
私は、圭人にいきなり髪をくしゃくしゃと撫でられた。
「もう! 圭人ったら、髪がぐちゃぐちゃになっちゃう」
「お前のこと、えらいなあって褒めてやってんだよ。それに、今は俺しか見てねーんだからいいじゃん」
「それは、そうだけど……」
私は、圭人に撫でられた頭に左手をやる。
「よし。それじゃあ予定通り、ふたりで頑張って掃除するか!」
「うん!」
それから、教室の床の掃き掃除をして。集めたゴミを外のゴミ捨て場まで圭人とふたりで捨てに行き、この日の掃除は終わった。
「なあ、絃葉。今日、良かったら一緒に帰らないか?」
教室で帰るための準備をしていると、圭人に声をかけられた。