「あの、京極くん……私、来年も京極くんのそばにいてもいいの?」
「え?」
私の突拍子もない問いかけに、京極くんが首を傾ける。
「ええっと。私の右腕の骨折が治って、京極くんに、今みたいにお世話をしてもらう必要がなくなっても……私、京極くんと一緒にいても良いのかなって思って」
「ああ、なるほど。そういうことか……」
うう。ついに聞いちゃった。
勇気を出して聞けたのは良いけど。もしも京極くんに、ダメだとか。マイナスな答えを言われたらどうしよう……。
私、京極くんの答え次第では立ち直れないかもしれない。
「……そんなの、当たり前だよ。だって俺たち、友達だろう?」
「と、友達?」
「うん。俺と絃葉ちゃんは、友達なんだから。お世話係とかそんなの関係なく、友達としてこれからもそばにいてよ」
「う、うん! ありがとう、京極くん……!」
“友達”
京極くんの口から自然と出てきたその言葉が、すごく嬉しくて。
私の右腕が治ったあとも、彼の友達として京極くんのそばにいても良いんだって思うと、なんだかとてもホッとした。