それから京極くんの隣に座って待っていると、圭人がオムライスとカレーライスをトレーにのせて戻ってきた。
圭人は、カレーライスを食べるんだな。
「ありがとう、圭人」
「おー」
京極くんは、持参のお弁当。
圭人も私の向かいに座ってカレーを食べ始めたので、私もスプーンを手にオムライスを食べ始めるけれど。
学園の王子様である京極くんと、話題のイケメン転校生の圭人が一緒だからか、周りの人に見られている気がして落ち着かない。
「絃葉ちゃん、ひとりで食べられそう?」
「うん。大丈夫だよ」
京極くんが気にかけてくれ、私は微笑む。
学校でのお昼は基本、お弁当かパンだから。
学食のオムライスは、今日初めて食べたけど。卵がふわふわでおいしい。
しばらく黙々とオムライスを食べていると。
「なあ。絃葉って確か、いちごが好きだったよな?」
カレーライスを食べ終えたらしい圭人が、私に聞いてきた。
「あっ、うん。好きだけど」
圭人、私がいちごを好きなこと覚えててくれたんだ。嬉しいなぁ。
「カレーのデザートに、いちごがついてたからさ。良かったら、これやるよ」
「えっ、いいの?」
「いいよ。はい、口開けて。あーん」
圭人がデザートのいちごをつまみ、私の口元へと運んでくる。