「陽莉のこと、助けてくれて本当にありがとう。両親も君にとても感謝してる。宮崎さんがいなかったら、どうなっていたか……君は、妹の命の恩人だよ」
「命の恩人だなんて、そんな大袈裟な……」
左手をブンブンと、横に振ってみせる私。
「ううん。大袈裟なんかじゃないよ。そのせいで、利き手を骨折させてしまって。不便な思いをさせて、申し訳ないと思ってる」
「いっ、いえ……」
「そこで、俺からひとつ提案なんだけど。妹を助けてくれたお詫びに、宮崎さんの右腕が治るまでの間、俺に君のお世話をさせて欲しい」
「へ?」
お、お世話係!?
ぽかんと口を開いて、私は硬直してしまう。